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Mrs. GREEN APPLE 6thアルバム『POPS』を考察!“確かめよう。”の問いと曲同士のつながりを読み解く

2026年9月30日、Mrs. GREEN APPLEが『ANTENNA』以来3年ぶりとなる6thオリジナルフルアルバム『POPS』をリリースしました。「確かめよう。」という言葉とともに、“ポップスとは何か”を問いかける本作。この記事では、アルバムの全体像を考察しながら、収録曲の歌詞コラムをまとめて紹介します。曲同士のつながりにも注目して、“通して聴く”楽しみを深めていきましょう。

Mrs. GREEN APPLE『POPS』とは?“確かめよう。”に込められた問いと全体考察

『POPS』は、2026年9月30日に発売されたMrs. GREEN APPLEの6thオリジナルフルアルバムです。

2023年の『ANTENNA』以来3年ぶり、「フェーズ3」突入後初のフルアルバムでもあります。

「Brand New」「GOOD DAY」「lulu.」「風と町」など既発表7曲に、「共犯」「シンデレラ」「本と彗星」など新曲9曲を加えた全16曲を収録。

当初は14曲の予定でしたが、大森元貴が「MUSIC AWARDS JAPAN 2026」の当日に「14曲ではピースが足りない」と感じ、「共犯」と「禁じた遊び」を急きょ書き下ろして追加したと語っています。

アルバムタイトルは、収録曲名ではない「POPS」。

大森は、知名度が上がるなかで「分かってくれる人にだけ届けばいい」と曲を作るのは違うと感じたといいます。

多くの人に届ける覚悟を持つため、自分を戒めるつもりで名付けたと説明しています。

全曲がリード曲として主役を張る、という位置づけです。

「確かめよう。」——リスナーに投げかけられた問い

発売前の9月25日、Mrs. GREEN APPLEは公式Xで「確かめよう。」と題した動画を公開しました。



「みんなが聴いているから好き?」「みんなが聴いているからダサい?」「暗い曲は流行らない?」「明るい曲じゃなきゃ元気が出ない?」「音楽の価値は何で決まる?」「バズるのが正義?」など、音楽の聴き方そのものを揺さぶる問いが次々と提示されます。

同じメッセージは渋谷駅前の屋外広告にも掲げられ、SNSで大きな反響を呼びました。

「みんなが聴いている」存在になった今のミセスだからこそ、この問いは重く響きます。

評判や印象ではなく、自分の耳で確かめてほしい。

その答え合わせの場所として用意されたのが、『POPS』というアルバムなのではないでしょうか。

リリースに合わせて、2本のトレーラー“HOPE”と“VOID”も公開されました。

どちらも同じ曲の別パートを使い、各曲に宿る「陽」と「陰」、「希望」と「虚無」という対照的な側面を表現しています。

明るい曲も暗い曲も、どちらも「POPS」として差し出す。

その姿勢自体が、「暗い曲は流行らない?」への回答になっているように感じます。

「アルバム通して聴いてほしい。」——曲同士のつながり

大森元貴は自身のXで、「アルバム通して聴いてほしい。発見が絶対にある。」と投稿しています。



実際、『POPS』の曲は1曲ずつ完結しながらも、互いに響き合っています。

歌詞を並べてみると、同じ言葉やよく似たフレーズが何度も登場します。

言葉のつながり

以下は、編集部が見つけた主な“言葉のつながり”です。

■「無償の愛」:プロジェクト4 → 瞞し → 禁じた遊び

11〜13曲目に3曲続けて登場。

「失うな」と歌われた愛が、次の曲で「瞞し」と疑われ、最後は「抱きしめてほしい」と求められています。


■「もういい(や)」:瞞し → 禁じた遊び

連続する2曲で繰り返される言葉。

投げやりな諦めと、満たされるまで愛されたい願いという、正反対の意味で使われます。


■「抱きしめる」:本と彗星・瞞し・禁じた遊び・Carrying Happiness

誰かを抱きしめたい、自分を抱きしめてしまう、抱きしめてほしい。

重い本音が続いた直後、「Carrying Happiness」では“今日という日”を抱きしめる言葉に変わります。


■「忘れてしまえたら」:共犯・本と彗星

2曲目と4曲目に同じフレーズ。

忘れたいのに忘れられない気持ちが、関係と恋の両方で歌われます。

「lulu.」は忘れないのに遠くなる記憶を、「Carrying Happiness」は忘れたくない今日を歌っています。


■「本当は」:シンデレラ・Really Really・禁じた遊び

本当は優しい子、本当は楽しくない、本当は誰よりあなたが好き。

取り繕った自分の奥にある本音を明かす言葉です。


■「嘘」:本と彗星・シンデレラ・禁じた遊び

嘘みたいな日常、嘘つきな私。

そして「禁じた遊び」では、幸せだという言葉が「嘘じゃない」と言い切られています。


■「優しさ」:共犯・GOOD DAY・シンデレラ・エピソード

分け合う優しさ、自分の中の小さな優しさ、本当は優しい私、もらった優しさが痛む私。

同じ言葉の受け止め方が曲ごとに変わります。


■「傷」「痛む」:Brand New・共犯・本と彗星・エピソード

胸の傷が痛む、傷を舐め合う、傷つくだけを繰り返す、優しさが妙に傷む。

痛みを消すのではなく抱えて進む姿勢が共通しています。


■世界の広さと自分の小ささ:エピソード・プロジェクト4・瞞し

世界はあんなに広いのに、世界は思うよりずっと大きい、街や空を見てもちっぽけ。

自分を小さく感じる瞬間に、どう向き合うかが曲ごとに描かれています。


■「風」:風と町・夏の影

どちらの曲でも、風は自分と誰かをつなぐもの。

「風と町」では町に生きる人と人を愛で結び、「夏の影」では、もう離れてしまったあなたのもとへも届いていてほしいと願われます。


■「雨」:Really Really・エピソード

どちらの雨も、つらい気持ちの象徴。

「Really Really」では「この雨が見えるか」と、誰にも気づかれない痛みとして抱え込まれます。

一方「エピソード」では、びしょ濡れになった場所さえダンスフロアに変えてしまう。

同じ雨への、正反対の向き合い方です。


同じ言葉でも、置かれた曲によって意味が変わる。

言葉を手がかりにすると、別々の曲の主人公たちが、まるで会話しているようにも聴こえてきます。

曲順のつながり

言葉だけでなく、曲順にも“通して聴く”ためのしかけが見えます。

■1曲目「Brand New」⇔16曲目「Variety」

真新しさを歌う曲で始まり、変わらない想いを歌う曲で終わる。

大森自身も、ラストから再び冒頭へ戻るループで聴いてほしいと語っています。

■新曲4曲の“かたまり”が2つ

2〜5曲目と10〜13曲目に、それぞれ新曲が4曲ずつ並び、その間を既発表曲がつなぐ構成です。

後半のかたまりは本音や自己嫌悪、執着を描く曲が続きます。

「無償の愛」もこの中で受け渡される、アルバムで最も内省的なゾーンです。

■追加された「共犯」と「禁じた遊び」

MAJの夜に書き下ろされた2曲は、2曲目と13曲目。

それぞれ新曲のかたまりの入口と出口に置かれ、人間関係の生々しい本音を担っています。

■8・9曲目「lulu.」→「風と町」

2026年のタイアップ曲が中盤に連続します。

受け継がれる命のつながりから、誰かが生きた証へと、時間を超えて残るものを歌う流れが続きます。

■14曲目以降は光の方へ

「禁じた遊び」の直後に「Carrying Happiness」、続けて「夏の影」と、夏のタイアップ曲が並びます。

最も重い本音の直後に一気に景色がひらけ、「Variety」へと向かいます。

曲順を意識すると、本音の暗さから光へと向かう流れがはっきり見えてきます。

『POPS』は、言葉のバトンを受け渡しながら明るさと痛みを行き来するアルバムだと言えるでしょう。

気になる言葉を追いかけながら、曲順どおりに通して聴いてみてください。

「POPS」各楽曲の歌詞考察まとめ

Brand New

2026年7月13日に配信された、映画『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』日本版主題歌。

アルバムの幕開けを飾る1曲です。

大森は、スパイダーマンが糸を出すポーズが「I LOVE YOU」のハンドサインになることに着想し、サビの言葉を書いたといいます。

孤独を知ったからこそ、人とのつながりの尊さに気づける。

過去の痛みを抱えたまま立ち上がる“自己再生”の楽曲です。



共犯

MUSIC AWARDS JAPAN 2026の夜に生まれた新曲。

大森は、若井滉斗のギターの技巧が目立つ曲だと語っています。

歌われるのは、傷を分け合い、許せないのに手を離せない人と人の関係。

相手に「嫌になる」とこぼす言葉さえ親しさの裏返しに聞こえる、不器用な“共犯”関係を描いた楽曲です。



シンデレラ

おとぎ話のヒロインをタイトルに掲げた新曲。

ストリングスが効いたアレンジも印象的です。

きらびやかなタイトルの裏で歌われるのは、清らかなヒロインにはなれない「私」。

嘘も嫉妬も抱えたまま、自分だけの物語の主人公になっていく。

痛みごと自分を抱きしめる楽曲です。



本と彗星

約5分と、アルバムでも最長クラスの新曲です。

永遠を綴る「本」と、一瞬だけ輝く「彗星」。

対照的な2つを重ねながら、終わった恋に何が残るのかをじっくりと見つめる楽曲です。



ア・ポステリオリ

発売日にMVがサプライズ公開された新曲。

光の点滅が激しいため、地上波では放送できないMVとしても話題になりました。

タイトルは「経験によって得られるもの」を意味する哲学用語。

皮肉と冷笑に満ちた語りが続いたその先で、“経験で育つ”僕が姿を現す楽曲です。



GOOD DAY

2025年9月28日に配信された、キリンビール「キリン グッドエール」のブランドアンセムです。

社会の不安定さや人間関係の複雑さを前提にしながら、それでも手を取り合おうと呼びかける。

ただ明るいだけではない、日常に寄り添う応援歌です。



エピソード

ブレイクコア的な打ち込みのビートが疾走感を生む新曲です。

疾走するビートとは裏腹に、歌われるのは周りが大人になっていくなかで足踏みする「私」の劣等感。

揺れ動く日々をひとつずつ“エピソード”として積み重ね、最後は「君」の存在を光として肯定する、等身大の自己肯定ソングです。

lulu.

2026年1月12日に配信された、フェーズ3第1弾シングル。

TVアニメ『葬送のフリーレン』第2期のオープニングテーマです。

タイトルの「lulu」は、言語によって「大切なもの」「平和」などの意味を持つ言葉。

末尾のピリオドに終わりと始まりを重ね、受け継がれていく命のつながりを描いた楽曲です。



風と町

NHK連続テレビ小説『風、薫る』主題歌。

ミセスにとって初の朝ドラ主題歌です。

移り変わる景色のなかでも、誰かが生きた証は残り続ける。

つらい日を否定も肯定もせず、ただそばで吹き続ける風を描いた、優しい人生讃歌です。



Really Really

8ビートで始まる、バンドアンサンブルが軸の新曲。

大森によると約10年前からある曲で、2018年のツアーでは未発表曲として披露されていました。

『POPS』を背負う以上、ロックな側面も必要だとして収録したと語っています。

歌詞が突きつけるのは、周りが思う「僕」と本当の「僕」のずれ。

「リアリー」と重ねるほど、明るく振る舞う裏にある「本当は楽しくない」という本音が浮かび上がる楽曲です。

プロジェクト4

英語詞から始まり、エフェクトをかけたボーカルが乗る実験的な新曲です。

誰かの言葉を気にするくらいなら、自分の心を信じて飛び込めばいい。

孤独な想像力と繊細さを手放さず、次の時代へ作り続ける人の背中を押す楽曲です。

瞞(まやか)し

曲順では「禁じた遊び」の直前に置かれた新曲です。

執着や純愛と別れようとしながら、「もういいや」と投げ出しきれない「僕」。

無償の愛という“瞞し”を、綺麗事と知りつつ信じてしまう矛盾を描いた楽曲です。

禁じた遊び

MUSIC AWARDS JAPAN 2026の夜に「共犯」とともに生まれた曲。

大森は、藤澤涼架の技巧が目立つ曲だと語っています。

すべてを持つ「あの子」への羨望と憎しみを、「私」と「僕」の2人が語ります。

嫌われるのが怖くて、先に嫌ってしまう。

「禁じられた」ではなく、自分で自分に「禁じた」はずの心の防衛を、率直な言葉で綴った楽曲です。



Carrying Happiness

2025年7月19日にリリースされた、東京ディズニーリゾート「サマー・クールオフ」のテーマソングです。

タイトルの意味は「幸せを運ぶ」。

幸せを運んでいるのはアトラクションではなく自分自身なのだと、軽やかに気づかせてくれる楽曲です。



夏の影

2025年8月11日に配信された、「キリン 午後の紅茶」CMソング。

タイトルに“夏”がつく曲は「青と夏」以来7年ぶりです。

伸びていく影に時の流れを重ね、限りある夏のせつなさを描いたノスタルジックな夏歌。

あの頃の夏を糧に生きていける、せつなさの中に強さと希望が宿る楽曲です。



Variety

2025年11月公開の映画『MGA MAGICAL 10 YEARS DOCUMENTARY FILM ~THE ORIGIN~』で制作過程が描かれ、これまで配信されていなかった楽曲。

メジャーデビュー作のミニアルバムと同じタイトルで、『POPS』のラストを飾ります。

今日も唄うという現在進行形の言葉に、続けていく意志がにじみます。

物差しのない多様な世界で、自分が良いと思ったものをどれだけ愛せるか。

変われない、代わりはいないという言葉に、10年を経た3人の覚悟とファンへの想いが重なる楽曲です。



Mrs. GREEN APPLE『POPS』を通して聴いて、自分の耳で“確かめよう”

「みんなが聴いているから好き?」——その問いに答えるための素材は、すべて『POPS』の中にあります。

優しさを分け合う歌も、嫉妬や自己嫌悪をさらけ出す歌も、どちらも今のMrs. GREEN APPLEが差し出す“ポップス”です。

曲をまたいで響き合う言葉に気づくと、一曲一曲の印象も変わってきます。

ぜひアルバムを曲順どおりに通して聴き、気になった曲の歌詞コラムもあわせて読んでみてください。

あなただけの“発見”がきっとあるはずです。

【Mrs. GREEN APPLE PROFILE】 大森元貴 (Vo/Gt) 若井滉斗 (Gt) 藤澤涼架 (Key) 2013年結成。2015年EMI Recordsからミニアルバム「Variety」でメジャーデビュー。 以来、毎年1枚のオリジナルアルバムリリースと着実なライブ活動を続け、2019年12月から行われた初の全国アリーナツアー「エデ···

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