2019年にデビュー20周年を迎え、これまでに数多くの名曲を世に送り出してきた「ポルノグラフィティ」。
彼らの楽曲は過去に数々のタイアップに起用され、カラオケソングとして根強い人気を誇る名曲が生み出されてきました。
この記事でわかること
ポルノグラフィティを簡単に紹介
1999年9月にメジャーデビューしたロックバンド「ポルノグラフィティ」。
現在のメンバーはボーカル・岡野昭仁とギター・新藤晴一の2人。
ライヴやレコーディングには、著名なサポートミュージシャンが参加しています。
2004年まではベースのTamaを含めた3人で活動していました。
広島出身の彼らは高校卒業後に大阪で活動を始め、デビューが決まると同時に東京に活動拠点を移し、1thシングル「アポロ」でメジャーデビューを果たしました。
彼らが音楽シーンに与えた影響は大きく、KingGnuのボーカル・井口理も大ファンであるとコメントしています。
名前を間違えられる
彼らのバンド名「ポルノグラフィティ」はデビュー当時から誤って呼称されることが多かったそうで、メンバーは度々このことについて言及しています。
デビュー当時は「アポロ」「アポログラフィティ」など曲名が先に有名になったことで、バンド名と混同する人が多かったそうです。
また、略称である「ポルノ」をそのままバンド名だと勘違いしたり、「ポルノグラフティ」と小さい「ィ」を抜かしてしまうなど惜しい間違いも多数ありました。
ちなみに、メンバーはこの略称に対して「卑猥な言葉でもあるので、言うときは気をつけて」と注意を促しています。
バンド名の由来はアメリカのロックバンド・Extreme(エクストリーム)のアルバム「PORNOGRAFFITTI」で、由来となったアルバム名にならってバンド名の英語表記もこの綴りとなっています。
YouTubeで音楽番組をスタート
2020年3月にボーカル・岡野昭仁は、スペースシャワーTVと連携してYouTubeやSNSで配信を行っていく音楽番組「DISPATCHERS」をスタートさせました。
「dispatcher」には「発信、発送する人」という意味があり、「歌を発信していく」という番組のテーマに基づいて、その番組名になったのです。
この番組は岡野自身がどうすればみんなに歌を届けられるかを考え、番組を通して様々なシチュエーションで毎回歌を展開していく番組となっており、YouTubeにて無料で公開されています。
また、スペースシャワーTVでは配信された番組映像に加え、配信では未公開となった弾き語り映像などを加えた特別編集版が放送されています。
新たな取り組みにも挑戦するポルノグラフィティの躍進は、今後も様々なステージで見られるでしょう。
ポルノグラフィティの人気曲
一聴して彼らだとわかる爽やかでキャッチーな歌を武器に、これまでのミュージックシーンを駆け抜けてきたポルノグラフィティ。
彼らの楽曲は優れたものばかりですが、その中でも特に愛される人気楽曲の魅力を紐解いていきましょう。
ここからは「ポルノグラフィティの人気曲が知りたい」という人のために、彼らの楽曲をジャンルごとに分けて紹介していきます。
アポロ
ポルノグラフィティの記念すべき1thシングルである「アポロ」は、彼らを語る上で外すことのできない名曲です。
思わず口ずさんでしまう「僕らの生まれてくるずっとずっと前にはもう」というキャッチーなサビのフレーズは、多くの人の記憶に残っているはず。
キャッチーなメロディだけでなく、1969年に人類史で初めて月面着陸を成功させた「アポロ11号」をテーマに歌詞が書かれています。
技術発達した現代社会を皮肉を交えて表現した歌詞からは、文学的要素を感じられますね。
ミュージック・アワー
「ポカリスエット」のCMソングとして起用された3作目シングル「ミュージック・アワー」は、夏を感じさせるアップテンポなサマーチューンです。
ラジオDJが恋する乙女を応援するというテーマに沿って制作されたこの楽曲。
イントロに挿入されるラジオ風のタイトルコールや歌詞に登場する「R.N(ラジオネーム)”恋するウサギ”ちゃん」など遊び心に富んだ一曲となっています。
縦ノリのリズムが気持ち良いこの楽曲は、ライブでも定番の曲としてファンに親しまれています。
サウダージ
「ミュージック・アワー」に続く4枚目のシングルとしてリリースされた「サウダージ」は、シングル・アルバム通じて初めてオリコンチャートで一位を獲得した楽曲です。
また、世間が彼らに持つ「ラテン調」のイメージを世間に植え付けた楽曲でもあります。
コンガとベースのパーカッシブなリズムや上品なバイオリンなど、ラテンを感じさせる要素とうねるようなギターが生み出すサウンドからは音楽的意欲を強く感じます。
女性目線で破れた恋心を描いた切ない歌詞も、この楽曲が愛されているポイントでしょう。
メリッサ
「メリッサ」はアニメ「鋼の錬金術師」のオープニングテーマとして起用され、多くのファンを増やしたロングセラー作品です。
オリコンランキングへの登場回数はバンドとしては最高の、38週を記録しており、最も知名度が高い楽曲と言っても過言ではありません。
自己犠牲をテーマに描かれた歌詞と感情を揺さぶるような歌が、切なさと激しさを同時に表現しています。
タイトルのメリッサとはレモンバームのことで、その花言葉は「思いやり」を意味します。
アゲハ蝶
ポルノグラフィティのシングルとして、「メリッサ」に次ぐロングセールスを記録したのが「アゲハ蝶」です。
6thシングルとして発表され「サウダージ」から続くラテン調の音楽性を引き継いだ楽曲は、思わず歌い出したくなるキャッチーさと語感の良さが彼ららしい楽曲と言えるでしょう。
自らを投影した旅人や光や救いの象徴として登場するアゲハ蝶が印象的な歌詞は、葛藤を描いているようにも見えます。
ハネウマライダー
「ミュージック・アワー」以来6年振りに「ポカリスエット」のCMソングに起用された「ハネウマライダー」も夏らしさ溢れる爽やかな一曲となっています。
ライブでは観客がタオルを高く掲げ振り回すのが定番となっており、盛り上がる楽曲として人気が高いです。
「跳ね馬のように乱暴だけど」が登場箇所によってメロディが変わるなど、歌を武器にした遊び心も彼らの魅力です。
この楽曲でNHK紅白歌合戦に3年連続通算5回目の出場を果たしました。
ポルノグラフィティの元気が出る曲
ポルノグラフィティの楽曲には、アップテンポで暗い気持ちを吹き飛ばしてくれるものはもちろん、心に寄り添い背中を押してくれる楽曲も多く存在します。
中には少し暗いけど、優しく勇気を与えてくれる歌詞が特徴の楽曲もあるのです。
様々な種類の「元気が出る曲」を紹介するので、ぜひお気に入りの一曲を見つけてみてください。
幸せについて本気出して考えてみた
「幸せについて本気出して考えてみた」というタイトル通り「幸せについて」歌ったこの楽曲は、自分の人生を客観的に捉え、その中に幸せを見出していくストーリーです。
答えをはっきりと教えてくれる訳ではありませんが、考えるきっかけを与えてくれる楽曲はきっと悩んでいる時の手助けになってくれるでしょう。
歌詞に登場する「マイケル」とはマイケル・ジャクソンのことで、「案外普通」な自分の人生と対比する理想の人生を示しています。
Mugen
ムーディーな雰囲気に包まれた「Mugen」は、明るい曲ではないため「元気が出る曲」のイメージとはかけ離れています。
歌詞も抽象的なものが多く、一度聴いて元気が湧いてくる楽曲でもありません。
しかし、物事の本質を突いたような歌詞には、知らず知らずのうちに心が奮い立つ奇妙な魅力があります。
タイトルの「Mugen」は「無限」と「夢幻」のダブルミーニングとなっており。「Mugen」とは何かを問う内容となっています。
ギフト
映画「フライング☆ラビッツ」の主題歌となった25thシングル「ギフト」。
軽快なリズムと爽やかなメロディが心を軽やかにしてくれるこの楽曲は、自分の才能に悩む人への応援ソングとなっています。
「少しは自分にも期待してみたらどう?」と肯定してくれる言葉の数々は、卑屈になってしまった自分をきっと鼓舞してくれるはずです。
君は100%
アップテンポな楽曲と前向きな歌詞がポジティブな気持ちを引き出してくれる「君は100%」は、彼らの楽曲の中でも指折りの応援歌です。
くすぶりながら日々を過ごす様子を輝く宝石の原石に喩え、しっかりと磨き込めばその未来は輝かしいものになると歌った歌詞は胸に刺さります。
小気味良いキャッチーなメロディも魅力的なので、彼ららしい楽曲を求める人にオススメの一曲となっています。
THE DAY
アニメ「僕のヒーローアカデミア」のオープニングテーマとして起用された「THE DAY」は、ライブのような熱量を感じる激しい楽曲です。
様々なサウンドアプローチに挑戦してきた彼らの楽曲の中でも、随一のロックナンバーに仕上がっており、ロックバンドとしての彼らの生き様を写しているようでもあります。
「ろくでもない世界」を生き抜く術を急き立てるように歌い上げた楽曲は、現代社会を生きる私たちを案じているようにも捉えることができます。
ブレス
皮肉的な歌詞が目を引く歌い出しから始まる「ブレス」。
この楽曲は「劇場版ポケットモンスター みんなの物語」の主題歌となっており、作詞を担当した新藤は「人間も、ポケモンたちの“進化”みたいに、劇的に姿や形を変えられたらいいのだけどそうもいかず今の自分を奮い立たせるしかない」と語っています。
これらが示すように、この楽曲は無理に背中を押すのではなく、現状の自分を肯定し受け入れて進んでいくことを促す内容となっています。
VS
デビュー20周年となる2019年にリリースされた「VS」は、彼らの記念すべき50枚目のシングルです。
現在から過去へ、過去から現在へと目を向けた歌詞からは、活動を振り返ることで未来への新たなる一歩を踏み出そうとする彼らの決意を感じます。
ピアノとギターによる晴れやかなサウンドと高らかな歌声は、自分を優しく包み込んで高みへと連れて行ってくれるような気持ちにさせてくれます。
ポルノグラフィティのバラード曲
ここまではアップテンポな楽曲を多く紹介してきましたが、彼らの楽曲には素晴らしいバラード曲も多く存在します。
センチメンタルな雰囲気を持つ楽曲から、愛をテーマにしたラブソングまで、その種類は幅広く彼らのセンスがうかがえます。
どんな気持ちにもそっと寄り添ってくれる珠玉のバラードを紹介していきます。
サボテン
「サボテン」は雨の日のような少しセンチメンタルな雰囲気は持ち合わせているものの、決して深く沈むような暗い曲調ではなく、心に寄り添う優しさを持った楽曲です。
耳に残りやすく安心感を与えてくれるこの歌は、憂鬱な気持ちに差し込む光のように心を照らしてくれるでしょう。
この楽曲は「サウダージ」に続きオリコンチャートで一位を獲得しており、彼らのバラード曲を代表する一曲と言えるでしょう。
ヴォイス
7作目のシングル「ヴォイス」は、シングルでは初となる本格的なバラード楽曲としてリリースされました。
いつか出会う運命の人へ向けられたこの楽曲は、独特の世界観を持っていますが彼らの歌詞のセンスにより、感情移入しやすくなっています。
強い説得力を持ったこの楽曲からは、時が経っても色褪せない魅力を感じられるでしょう。
愛が呼ぶほうへ
ドラマ「末っ子長男姉三人」の主題歌となった「愛が呼ぶほうへ」は、「ハートフルなあたたかさ」をテーマに制作されたバラードです。
そのテーマどおり優しいピアノが印象的な楽曲は、愛を擬人化した一人称視点で描かれており、本来は目に見えないはずの愛を確かに感じられます。
バラードながら軽快なリズムで進む軽やかさが、晴れやかな気持ちにさせてくれる名バラード曲です。
黄昏ロマンス
伸びやかでゆったりとした歌声が特徴の「黄昏ロマンス」は、恋が愛へと変わっていく過程を描いたラブソングとなっています。
彼らの楽曲には愛や恋を描いたものも少なくありませんが、ロマンスの最中にいる男性の心情を歌ったこの楽曲は、とても世俗的な印象で深い親しみを感じられます。
幸せに満ち足りたこの楽曲を聴けば、きっと愛に気付けるようになるでしょう。
瞳の奥をのぞかせて
テレビドラマ「宿命 1969-2010~ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京~」の主題歌となった「瞳の奥をのぞかせて」は、バラードながら情熱を感じられる異国情緒漂うサウンドが特徴の楽曲です。
この独特なサウンドと文学的な歌詞が合わさることで、ミュージカルの世界に入ったような感覚が味わえます。
歌詞の表面上は大人のラブソングですが、その中には「心の影と光」というテーマが隠されているのです。
別れ話をしよう
シングル「アゲハ蝶」のカップリングとして収録されている「別れ話をしよう」。
タイトルどおり「別れ話」をテーマとしたこの楽曲は、東京のとあるバーを舞台に恋人との別れをドラマチックに描き出しています。
「この煙草を消したら席を立とう。二人の時間が灰になってく」「このこおり溶けるまで恋人でいようよ」と少しキザな言い回しが目立つ歌詞とサウンドが相まって、容易に情景を思い浮かべることができます。
カップリング曲ながら人気の高い、情景描写に優れたバラード曲です。
ポルノグラフィティの隠れた名曲
ここまでに紹介した楽曲はほとんどがシングル曲だったので、馴染みのある楽曲も多かったのではないでしょうか?
次では知名度のあまり高くないカップリング曲を中心に紹介するので、ポルノグラフィティ隠れた一面も知ることができますよ。
最後にポルノグラフィティのさらなる魅力に迫るために、「隠れた名曲」を紹介していきます。
冷たい手~3年8ヵ月~
「 冷たい手~3年8ヵ月~」は、シングル「サウダージ」に収録されたカップリング曲です。
3年8ヵ月もの長い時間を過ごした恋人との別れを描いた歌詞からは、後悔や葛藤、未練など様々な感情を想像することができます。
「もしも僕の部屋に君の匂いが残っているのならば返してあげるから」というフレーズは、男の女々しさを鮮明に描き出した秀逸な歌詞です。
空想科学少年
「空想科学少年」は2ndアルバム「foo?」に収録されている、科学が発達した空想の未来を描いた楽曲です。
近未来を感じさせるシンセサイザーの音色やロボットのエフェクト音のように機械的に聞こえるベースなど、サウンドも楽曲のテーマをよく表しており、彼らの楽曲に対するこだわりを感じられます。
ポルノらしいキャッチーなメロディも、どこか科学・機械的に聞こえる一曲です。
Aokage
3rdアルバム「雲をも掴む民」に収録されている「Aokage」は、彼らの故郷である広島・因島の思い出を歌った楽曲です。
タイトルは実在する「青影トンネル」から来ており、歌詞中にもこの名前は登場します。
実体験を元にした楽曲は、センチメンタル記憶や思い出の中にある原風景を思い起こさせる一曲となっています。
夕陽と星空と僕
「愛が呼ぶ方へ」のカップリング曲としてリリースされた「夕陽と星空と僕」は、夕陽と星空の下で愛について問うスローテンポなバラードとなっています。
カップリング曲らしいシンプルなサウンドではありますが、メロディと歌詞が調和したフレーズが素晴らしく、まさに「隠れた名曲」と呼べる楽曲です。
歌詞には私たちの愛に対する認識を揺るがす程の主張が、込められているかもしれません。
カルマの坂
語り口調の歌で紡がれる物語のような「カルマの坂」は、オペラやミュージカルのような厳かな印象を持っています。
カルマ、つまり人間の業を描いた不条理な現実を突きつける物語は、人によって様々な感想を与えるでしょう。
生きること、果てはこの世界の全てを考えさせるような「カルマの坂」は、彼らの楽曲の中でも異色な存在感を放っています。
この楽曲は4作目のアルバム「WORLDILLIA」、ベストアルバム「PORNO GRAFFITTI BEST BLUE’S」で聴くことができますよ。
∠RECEIVER
8thアルバム「∠TRIGGER」の1曲目を飾る「∠RECEIVER」は、オープニングナンバーらしくスケール感のある楽曲となっています。
この楽曲の良さは楽曲単体では図れません。
始まりを告げる役割を持った楽曲の重要性には、アルバム作品全てを聴いて初めて気付くことがあります。
アルバムを通して聴くのは大変なので、せめて2曲目の「アニマロッサ」と合わせて聴いてみてください。
Ohhh!!! HANABI
2015年にリリースされた「RHINOCEROS」に、アルバムのリードトラックとして収録された「Ohhh!!! HANABI」。
花火や浴衣、金魚屋、お囃子など夏祭りに関する単語が散りばめられたこの楽曲は、彼らの隠れサマーチューンとなっています。
夏の恋に思いを馳せる様子を描いたアップテンポな楽曲を聴けば、夏のイベントが待ち遠しくなること間違いなしです。
ポルノグラフィティの曲はアップテンポからバラードまで幅広い!歌詞にも注目して世界観を楽しもう
ポルノグラフィティの楽曲には、聴く人を元気にしてくれるアップテンポな曲や共感できるバラード曲など、幅広い世界観の楽曲があります。
彼らの歌詞は情景描写や感情表現が豊かなものが多く、サウンドの勢いやキャッチーさだけが彼らの武器ではないことが、わかっていただけたのではないでしょうか。
これからは歌詞にも注目して、彼らの描く世界観を楽しんでみてください。
この記事のまとめ!
- ポルノグラフィティはデビューから20年以上経った今でも第一線を走り続けている
- バンド名が浸透するまでにかなりの時間を要した
- ボーカル・岡野昭仁がYouTubeにて音楽番組を配信中
- 唯一無二の思わず歌いたくなるキャッチーなメロディ
- 文学のような情緒に富んだ詩的な表現も魅力